大学別分析

東北学院大学の地域連携は、誰が相談を受け、誰につなぐのか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
東北学院大学の地域連携計画は、公開中でも現行とは限らない

地域の人が大学に相談したいとき、研究者の名前を知らなければ入口に立てないのでしょうか。東北学院大学の地域連携センターは、自治体、企業、住民組織などとの連携を担い、相談窓口を公開しています。「誰が受け、誰につなぐか」という仕事を、大学の隣人愛から考えます。

2026年度入学式の式辞は、スクールモットー「LIFE LIGHT LOVE」のLOVEを、隣人愛をもって地域や世界に仕えることと説明しています。では、その地域の人にとって、大学はどう関われる相手なのでしょうか。

地域の地図を囲んで話し合う大学職員・学生・地域関係者のイメージ
※写真はイメージです

相談を受けるところから、地域連携を考える

センターの紹介に掲載された社会連携・貢献の基本方針は、建学の精神に基づき、地域が抱える課題の解決を大学の使命に位置づけています。「知の還元」と並ぶのが「連携協働」。大学から知識を届けるだけでなく、地元の団体や個人と、継続的に課題を共に解く方針です。そのための体制整備も一項目を占めています。

編集部が注目するのは、奉仕の相手が、大学の用意した活動を受け取る人としてだけは書かれていないことです。地域側が抱える課題があり、それに大学が何を持ち寄れるかを一緒に考える。隣人に仕えるという価値観を、相手の困りごとから関係を始める姿勢として読めます。

関わりたい人が、大学の内側を知らなくても

2020年4月に設置されたセンターは、地域連携やボランティアを全学的に推進する組織です。紹介には連携先と窓口が並びます。2021〜2025年度の推進計画にも、学外からの課題と学内の研究などを結びつける仕組みの整備が記されていました。旧計画の達成を示す資料ではありませんが、相談を大学の中へつなぐ仕事を必要としていたことが分かります。

地域の人が大学の学部構成や教員の専門を知っているとは限りません。入口を示し、大学の内側につなぐことは、連携したい相手に探索の負担をすべて背負わせないための仕事でもあります。窓口の案内は、大学を地域に開くという基本方針の、日常的なかたちです。

LOVEを活動の美称にしないためには、誰の課題から始まり、誰が応答するかまで伝える必要があります。東北学院大学の場合、地域に仕えるという言葉と、地域と共に課題を解く方針の間を、相談を受けつなぐ組織が埋めています。窓口を大学の外から見つけられることにも、この価値観との関係があります。