大学ブランディングの型カタログ

大学ブランディングの型を、約束形成・証拠化・翻訳・組織運用の4領域で整理した図

基本的な考え方と進め方は、コラム「大学ブランディングとは」で解説しています。このカタログでは、大学の公式公開情報から確認できる実装方法を、12の型に整理しました。ここでいう「型」は大学そのものの分類ではなく、理念や方針を言葉、活動、伝達、組織運用へ移す方法を比べるための見方です。1つの大学に複数の型が併存します。

作成根拠

  • 本カタログは、上條憲二『超実践! ブランドマネジメント入門』の10ステップと、ブランドをステークホルダーの「頭の中にある確固たる存在」と捉える考え方を参考にしています。
  • 大学公式サイトで公開されている理念、方針、教育・研究活動、組織、計画、対外発信を読み比べました。
  • 大学の取り組みを、「約束をつくる」「活動や実績で示す」「相手に伝わる形にする」「組織の運営に組み込む」の4つに分け、12の型に整理しています。
  • 12の型と名称は大学ブランディング研究所が独自に整理したものです。上條憲二氏が作成・監修した分類ではありません。

似て見える型は、使われている言葉ではなく、変えた対象と、その結果として現れた仕組みで分けます。

今後の改善について
本カタログはテスト検証段階です。公開資料や利用者・有識者の意見をもとに、内容を見直します。

12の型

1. 約束形成

分類 どんな型か
宣言更新型 昔からの理念を今の課題に合わせて読み直し、大学の進む方向として言い直す
名称約束型 大学の強みや約束を、大学名・学部名など覚えられる固有名詞にする
逆説型 強みをそのまま自慢せず、常識をひっくり返す言葉で違いを示す

2. 証拠化

分類 どんな型か
証拠先行型 理念を言葉で語るだけでなく、長く続けてきた活動や実績で証明する
方針実装型 掲げた方針を、複数の学部・部署の授業や制度に落とし込む
トップシンボル型 学長などトップの人選や組織名そのものが、大学の方針を示す

3. 翻訳

分類 どんな型か
実装翻訳型 抽象的な理念を、学生が参加できる活動や体験に変える
計測語型 理念を具体的な言葉に分け、できたかどうか振り返れるようにする
多層翻訳型 昔からの理念を残しつつ、教職員・受験生など相手別の言葉に置き換える

4. 組織運用

分類 どんな型か
理念実装型 理念、目標、行動ルール、教育環境の順に、大学運営へ落とし込む
憲章更新型 昔からの理念を残しながら、今の大学運営に使えるルールを新しく定める
人物継承型 創立者が作った理念を、後の人物が広めたり具体化したりして受け継ぐ

似て見える型の分け方

近い型 分ける基準
方針実装型/理念実装型 方針や制度を横へ広げるか、持続的理念から規範・環境を縦に積むか
宣言更新型/憲章更新型 進路を示す宣言か、運営を仲介する正式な成文規範か
実装翻訳型/多層翻訳型 活動・体験へ直接変えるか、原典と複数の説明層を並立させるか

このカタログで行わないこと

  • 大学全体を1つの型に決めること
  • 特定大学を代表校・認定校・優良校として扱うこと
  • 型から大学の優劣やブランド強度を判定すること
  • 10ステップ簡易診断の回答から型を自動判定すること

更新履歴

  • 2026-08-13: 初版公開

関連ページ

参考文献: 上條憲二『超実践! ブランドマネジメント入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2022年)