大学別分析

創価大学は、三つの建学の精神をどう年度計画まで下ろしているか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
創価大学は、三つの建学の精神をどう年度計画まで下ろしているか

創価大学の2026年度学長ヴィジョンには、学生の意見を反映したと書かれています。「学生第一」「学生参加」を原則とし、学生と連帯して計画を進めるという説明です。中長期計画・学長ヴィジョン

人間教育を掲げる大学が、学生を計画の受け手だけでなく担い手にも置く。この位置づけは、建学の精神とどう関わるのでしょうか。2030年の目標へ向けた準備と、その仕事を誰と進めるかを一緒に読むと、年度計画の見え方が変わります。

複数の資料を机に広げて計画を確認する手元

三つの精神を、学生の学びへ近づける

創価大学は1971年の創立時から、「人間教育の最高学府」「新しき大文化建設の揺籃」「人類の平和を守るフォートレス」という三つの建学の精神を掲げています。教育研究上の目的および基本ポリシー

人間教育、文化、平和。それぞれ大きな言葉ですが、全学の教育目標では、人々の幸福と世界平和に貢献する「創造的人間」を、価値創造を実践する「世界市民」と説明しています。身につける力には「知力」「創造性」「多様性」を挙げています。

この人材像を年度計画まで追うと、完成した教育の説明と、これから準備することを読み分けられます。2026年度の計画は、既存の創価コアプログラムを発展させ、2030年度に世界市民教育コアプログラムとして全学展開を目指すとしています。今年度には、共通の評価指標の整備や要件の定義を進める方針です。中長期計画・学長ヴィジョン

人々の幸福と平和へ関わる人を育てるという目標を、どの学生にも共通する教育へ移すには、何を学び、どう確かめるかを定める必要があります。2026年度の評価指標や要件の整備は、その準備として読むことができます。まだ2030年の全学展開が実現したという記録ではありません。

学生を、計画の読み手にも担い手にも置く

同じ年度計画には、学修成果の活用を学生と協働して進めることや、教育の改善に学生が参画する方針もあります。2026年度学長ヴィジョン

計画の前文は、創立者の思想と建学の精神を基盤とし、学生第一・学生参加を原則として維持すると明記しています。学生参加と建学の精神との関係は、大学自身が示しています。大学ブランディング研究所 編集部は、この位置づけを、教育の改善にも学生が関わるという方針と続けて読みます。

価値創造を実践する人を育てたいとき、学生は与えられた教育を受けるだけの存在ではありません。同じ計画で、学びを改善する側にも置かれています。実際の意見の採用率ではなく、教育の受け手をどう位置づけるかという設計に、育てたい主体との対応があります。

創価大学の年度計画は、建学の精神を施策名へ言い換えただけではありません。世界市民教育を全学へ広げるために今年度は何を整え、その改善に学生がどう関わるかを記しています。目指す人を育てる仕組みを準備しながら、その人自身を準備の担い手にもする。遠い教育目標と、いまの学生の位置づけを結ぶところに、年度計画まで読む意味があります。