コラム

大学ブランディングのKPI設計|認知・理解・選択・継続を混ぜない指標表

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
大学ブランディングのKPI設計|認知・理解・選択・継続を混ぜない指標表

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大学サイトのエンゲージメント率が上がった。それを「教育の特徴が伝わった」と報告してよいでしょうか。アクセス解析の数字は、画面上で起きたことを教えてくれます。ただ、読んだ人が何を理解したかまでは、同じ数字から分かりません。

大学ブランディングのKPIは、大学を知ること、教育を理解すること、進路として選ぶこと、入学後に学ぶことを分けて設計します。数字をたくさん並べるより、今回の施策で確かめたい変化を一つ定めたほうが、次の仕事を決めやすくなります。

「読まれた」の中身を、定義へ戻って確かめる

Googleの公式ヘルプでは、GA4のエンゲージメントセッションは、10秒以上の継続、キーイベントの発生、2回以上のページビューまたはスクリーンビューのいずれかを満たすものと説明されています。

大学ブランディング研究所 編集部がこの定義で立ち止まったのは、条件が「いずれか」になっている点です。二つのページを開いたことは記録されても、教育方針を正しく理解したかを答えた記録ではありません。エンゲージメント率の上昇は、サイトでの接触が変わった手がかりとして受け止めます。

名前からは深く読んだ人の割合に見えますが、算出条件をたどると、内容理解とは別の問いだと分かります。報告書に「理解が深まった」と書きたいなら、理解を確かめる材料を追加する必要があります。この違いはGA4に限らず、動画再生、資料ダウンロード、説明会参加にも当てはまります。

認知・理解・選択・継続を、一つの点数にしない

下表は、編集部が整理した指標の候補です。すべての人が表の順番で大学を選ぶというモデルではありません。自校の施策が働きかける変化を選び、隣の段階まで達成したことにしないために使います。

確かめたい変化 指標を作るときの分子と分母 その数字だけでは分からないこと
認知 対象の大学名を知っている回答者数/その質問への有効回答者数 教育内容の理解。大学名を先に示した質問と、自由に思い出す質問も別集計にする
理解 事前に定めた基準を満たす回答者数/理解を問う質問への有効回答者数 出願する意向や、入学後の学修成果
選択 入学手続きを完了した実人数/対応する対象者集団の合格者実人数など、目的に応じた組み合わせ 広報だけの寄与。延べ合格件数と実人数を混ぜない
経験 対象の学び・支援を利用した人数/利用対象者数 学びの到達度や、利用しなかった理由
継続 次の確認時点でも在学している人数/追跡を始めた対象者数 継続・離脱の理由。卒業、休学、留学等の扱いを先に決める