東洋大学は授業前の10日間を何のために置くのか|T-Weeksと13+2を読む
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
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授業が始まる前の約10日間に、何をするか。東洋大学は2026年度から、その期間を「T-Weeks」と名付けました。大学の学年暦の説明を読むと、履修計画のガイダンス、就職・インターンシップのセミナー、フィールドワークの準備教育が予定されています。
この10日間に大学が掲げる言葉は、Think、Try、Transform。物事の本質に向かって深く考え、活動のなかで奮闘し、他者のために自己を磨く。資料はT-Weeksを建学の理念に基づく期間だと明記しています。「13+2」という学年暦の数字だけでは見えにくいのですが、大学が時間の使い方に込めた意図はここに表れています。

授業前の10日間を、何のために置くのか
東洋大学が示す建学の精神と教育理念には、哲学を基礎に物事の本質へ迫り、主体的に社会の課題へ取り組むという考えがあります。学年暦の資料は、T-Weeksのポリシーを「建学の理念(東洋大学の心)に基づいた、学生の主体性ある活動を促進する期間」と説明します。理念と今回の制度を結ぶのは、編集部の推測ではなく、大学自身の記述です。
ただし、約10日間を設けたから学生が自動的に活動を始めるわけではありません。大学はその期間に、履修計画の見直しやフィールドワークの準備など、次の学びに入るための機会を置いています。授業前の時間を単なる空白にしない。その設計が、T-Weeksの説明から読み取れます。ここで確認できるのは大学が公表した目的と予定であり、学生一人ひとりの参加や成果ではありません。
「13+2」の2は、2週間の休みではない
このT-Weeksは、同じ2026年度に始まった「13+2」と関係しますが、両者は同義ではありません。大学の説明では、各学期の通常授業期間を従来の15週間から13週間に改め、13回の通常授業に加えて、2回分をオンデマンド授業や学外での演習・実習・研修などとして実施します。つまり「+2」は週ではなく授業の回数です。2回分の授業は、通常授業期間や試験・補講期間、T-Weeksなどに行われます。一部には15回対面で行う授業や、全回オンデマンドの授業もあります。
さらに、夏・春には通常授業以外のまとまったセッション期間を設け、留学や実習、課外活動などに取り組みやすくすると大学は説明します。13回の通常授業、別形式の2回分、授業前のT-Weeks、長期のセッション期間。名前を一列に並べると煩雑に見えますが、それぞれ「授業をどう実施するか」「準備をいつするか」「まとまった活動にいつ取り組むか」という別の問いに答えています。
「授業期間の短縮」だけで伝わるだろうか
学年暦を伝えるとき、「15週が13週になった」から書き始めたくなります。しかしそれだけでは、授業の2回分がなくなったようにも読めます。東洋大学の場合、まず「13回の通常授業と別形式の2回分」を正確に伝え、そのうえでT-Weeksに置かれた準備の機会を示したほうが、変更の中身が見えます。
編集部は当初、「+2」の内訳を確かめるために学年暦の資料を開きました。読み進めて引っ掛かったのは、T-Weeksの欄に建学の理念と三つの動詞が添えられていたことです。大学は授業形式だけでなく、この期間の目的まで書いています。そこで、週数の変更を説明する制度としてだけでなく、学生が何を準備し、どんな活動に向かえるようにする期間なのかを読むようになりました。広報と教学が制度を説明するときにも、週数の差と、その時間の使い道を一緒に伝えたいところです。
