大学別分析

大手前大学「STUDY FOR LIFE.」は、学びの自由とどう結びつくか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
大手前大学「STUDY FOR LIFE.」は、学びの自由とどう結びつくか

大学へ入る前に、専門を一つに決め切れるでしょうか。大手前大学の受験生向けサイトは、西宮夙川キャンパスの国際日本学部、建築&芸術学部、現代社会学部、経営学部での学びを紹介しています。複数の分野に関心があることを前提に、入学後の一年間を使って主専攻を見極める仕組みです。大手前大学で学ぶ理由

大手前大学が掲げる「STUDY FOR LIFE.」は、生涯にわたる人生のための学びです。まだ専門を決めていない入学時に、この教育観はどう関わるのでしょうか。選択肢の数だけでなく、選ぶ前に何を経験できるかを見てみます。

誌面を机に広げて内容を確認する手元

入学してから選ぶ時間を持つ

この4学部で取り入れる「レイトスペシャライゼーション」は、一年目にさまざまな専攻の基礎科目を学び、その後に主専攻を決める仕組みです。学びを経験してから、自分が深めたい分野を考えます。大手前大学で学ぶ理由

同じ案内には、学部を越えて学ぶ「クロスオーバー」もあります。同じ4学部を中心に、学部を越えて専攻の授業を受けられる学びです。案内では20専攻から自分の主専攻を見極める流れを示しています。

大学ブランディング研究所 編集部がこの案内で読み取ったのは、入学前の関心を、学んだ後に確かめる余地です。関心が複数あることを、単に「まだ決まっていない」と捉えず、学びの出発点にしています。

「人生のための学び」は、選び方にも表れる

大学は建学の精神・目的・使命で、「STUDY FOR LIFE.」を、生涯にわたる人生のための学びと説明しています。教養や専門知識を得ることと、自己開発や生涯の学びを結びつけています。

大学の目的には、知識の修得とともに、旺盛な自己開発精神を備えた人を育てることが挙がっています。最初の一年に複数の分野を学ぶ仕組みは、自分が何を深めるかを、実際に学んだ経験から判断する機会として読めます。授業を受けた経験から、自分の関心や適性を確かめる。自己開発という大学の目的に照らして読むと、この一年は、選べる分野を増やすだけでなく、何を選ぶかを判断する材料を学生自身が得る時間になります。

この案内が4学部に示す順序は、一年目の基礎科目、主専攻の決定、その後の専門の深まりです。入口で専門を確定させる代わりに、学んでから選ぶ時間を置いています。自由という言葉に、判断する材料を得る過程も含めているのです。

この4学部での一年目は、学生が自分の関心を授業で確かめ、次の学びを選ぶ時間です。「人生のための学び」は卒業後まで続く長い目標ですが、入学後の一年にできることは具体的です。気になる分野の授業を受け、その内容や自分との関わりを確かめてから、主専攻を決める。学ぶ人に選択を委ねながら、その判断を入学前のイメージだけに任せない設計です。