大学別分析

筑波大学の「縦」と「横」は、専門と教養をどう両立させるか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
筑波大学の「縦」と「横」は、専門と教養をどう両立させるか

同じ「専門導入科目」が、ある学生には専門の基礎になり、ほかの学生には専門外への入口になる。筑波大学の教育方針には、履修する人の立場で授業の役割が変わるという考え方があります。

筑波スタンダードは、目標と達成方法、改善方策を含む大学の教育宣言です。2025年版の学士課程全文(本文7ページ)は、専門を深める学びを垂直、教養を広げる学びを水平と表しています。

異なる分野の資料を囲み、専門同士のつながりを考える学生のイメージ
※写真はイメージです

図では縦と横が分かれていますが、専門導入科目の説明を読むと、二つの方向は同じ授業の中にもあります。その科目を開く組織の学生にとっては専門の基礎であり、それ以外の学生には異なる分野の学びです。編集部には、この説明によって、縦と横が科目の種類だけを指すのではないと分かりました。

専門の外から、自分の分野を見る

文書は、他学類・他分野の科目を卒業までに6単位以上履修することも示しています。所属する学類のカリキュラム・ポリシーで定めた範囲の中から選ぶため、どの授業でも自由に取れるという意味ではありません。

教学が他学部履修を案内するときにも、この区別は役立ちます。「専門外の授業を取れる」に加えて、その授業が何への入口になるのかを示す。自分の専門とどこでつながるかが分かれば、科目名だけで選ぶ場合とは違う見方ができます。

大学は、さまざまな学問分野の中で、自分の専門の位置づけを説明できる人材を目指しています。文書が示す他分野で学ぶ目的は、ここにあります。専門を離れて知識を増やすだけでなく、外から自分の専門を見直す。筑波大学の水平展開は、専門を深める学びとそのようにつながっています。