学習院大学は「高潔な人格」を2039年の人材像へどう訳したか
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
- 最終更新日

学習院大学が目指す「高潔な人格」は、一人で心を磨くことだけを意味するのでしょうか。グランドデザイン2039は、自己と他者をともに尊重すること、少人数教育で人と近く接する経験を、この人格の説明に置いています。
同じ構想が描く将来の人材像には、困難への対処、自分の言葉で考えること、異なる他者との協働が並びます。大学が大切にしてきた人格の育成は、この三つの姿と、どこでつながるのでしょうか。

人格の説明に、困難な状況が登場する
理念・目的には、学術の理論と応用を研究教授し、高潔な人格、確乎とした識見、豊かな思想感情を持つ人材を育てるとあります。知識と、人としてのあり方をともに挙げています。
グランドデザイン2039が示す将来の人材像には、「しなやかな強靭さ」があります。続く説明は、困難な状況でも広い視野で状況を捉え、解決策を探る人を描いています。
強靭さは、ただ耐えることとしては説明されていません。広い視野で状況を捉え、解決策を探ることを含みます。知識を持っていても、状況に応じて考える主体でなければ判断には結びつきません。「確乎とした識見」を育てるという大学の目的は、この人材像を読む手がかりになります。
「自分の言葉で考え続ける」まで書く
ほかの人材像も、形容詞だけで終わりません。創造力の説明には、自分の意志で学び、自分の言葉で考え続けることが書かれています。協働についても、多様な価値観や考え方を理解するという過程を置いています。グランドデザイン2039
ここには、自分の意志で考えることと、他者の価値観を理解することの両方があります。大学ブランディング研究所 編集部は、人格を自己と他者への尊重から説明する構想の冒頭と、この組み合わせを続けて読みます。相手に合わせるだけでも、自分の考えだけを押し通すことでも、目指す協働には届かないからです。
構想が示す第1期の重点施策にも、多様な背景を持つ人が共に学ぶための支援が挙がっています。留学生の日本語教育や、留学生・障がいのある学生の学習・生活支援などです。これは施策として掲げた内容ですが、「多様性を理解する人」を求める側の大学にも、共に学べる環境を整える仕事を置いています。
学習院大学の2039年像では、高潔な人格は他者との関係から切り離されていません。自分で考え、相手を理解し、困難の中でも解決を探る。その人を育てるために、近い距離で学び合う経験や学習支援を置く。人格の理想を、人に求める力と大学が整える環境の両方へ展開した構想として読めます。
