大学別分析

武庫川女子大学の科目選びは、「オススメ」の前に何を確かめるのか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
武庫川女子大学の科目選びは、「オススメ」の前に何を確かめるのか

200以上の共通教育科目から、何を選ぶか。武庫川女子大学の履修案内では、「オススメの科目」が四番目に出てきます。その前にあるのは、科目群の特徴、卒業要件、自分の興味の確認です。この案内は、学生自身に何を判断してほしいのでしょうか。

「武庫川女子大学の科目選びは、「オススメ」の前に何を確かめるのか」の論点を可視化した編集部イラスト

科目名の前に、何のために学ぶかを読む

第一に、六つの科目群の目的や狙いを理解する。第二に、所属学科の履修便覧で卒業要件を確かめる。第三に、履修条件に注意して、自分の興味に合う科目を選ぶ。その後のオススメ科目は、卒業要件があまり細かく定められていない学科で、絞り込むきっかけがなく迷う場合の選び方として紹介されています。

この案内は、興味さえあれば自由に選べるとは書いていません。学びたいことと、卒業までに必要なことを照らし合わせる仕事を、学生に渡しています。大学本体の紹介が科目の多さや学部・学年を越える学びを伝えるのに対し、履修案内では、その広さをどう自分の選択にするかが問題になります。

そこで共通教育のカリキュラム・ポリシーを読むと、「自律的な個人の確立」を目指すという説明があります。知識や技能だけでなく、判断する力、他者への思いやり、感性も含む教育観です。五つの「MW教養コア」には、主体的な判断や、生涯のライフデザインに関わる力も置かれています。

自分で選ぶことと、助けを借りること

案内にある具体例は、ジェンダー科目群が卒業要件で指定されている場合に、その中から興味のある科目を選ぶというものです。必要な区分は決まっていても、どの科目を学ぶかは学生が考える。大学ブランディング研究所 編集部が自律という教育観との接点を読むのは、この判断の余地です。卒業要件を守ることと、自分の関心を持つことを同時に求めています。

条件が細かくない場合には、自由の広さが選びにくさにもなります。第四の案内が想定しているのは、そのような学生です。英語・外国語科目を探すページや「学び発見ゼミ」の紹介へ進めるようにして、選択のきっかけを渡しています。推奨を使うことも、この案内が認める選び方の一つです。

「オススメ」が四番目にある案内を読むと、勧められた科目を選ぶ前に確かめることが見えてきます。何を学ぶ科目群なのか、自分の学科にはどんな条件があるのか、その中の何に関心があるのか。自律を目指す共通教育は、履修の入口でも、学生が自分の条件と関心を照らし合わせる仕事を残しています。