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公立はこだて未来大学のプロジェクトは、教員のチームづくりから始まる

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
公立はこだて未来大学のプロジェクトは、教員のチームづくりから始まる

学生がチームを組む前に、教員がチームを組んでテーマを提案する。公立はこだて未来大学の3年次必修「システム情報科学実習」は、毎年4月の教員によるテーマ発表会から始まります。教員はブースごとにテーマを説明し、学生は希望するものを選びます。プロジェクト学習の案内

学生だけでなく、教員も学科・コースの垣根を越える。なぜ、教える側の組み方まで変えるのでしょうか。この大学が目指す情報科学と、教員・学生の学び方を合わせて読むと、プロジェクトの形に理由が見えてきます。

教員と学生が同じ教室で議論する様子

課題に合わせて、専門の違う人が集まる

プロジェクト学習は、2002年から続く一年間の必修科目です。テーマによっては、地域の人や行政、企業も加わってチームを構成します。学生の希望が定員を超えた場合には、面談のうえで調整する仕組みです。

大学の建学の理念は、「人間」と「科学」が調和した社会の形成を掲げています。大学が説明するシステム情報科学の対象は、人間・社会・自然・人工物が絡み合う現実の世界です。数理科学だけでなく、デザインや社会科学の手法も取り入れて、その世界を扱うとしています。

編集部が教員のチームづくりに読むのは、この対象の捉え方との関係です。課題に合わせて異なる専門を持ち寄ることに、複合した現実の扱い方が表れています。教員も学科を越える仕組みは、人間や社会と技術を一緒に扱うという学問観を、教える側の関係にも及ぼしています。

教員が提案し、学生が選んだ後に

建学の理念のページには、教員から学生へ知識を一方的に流すスタイルを変え、双方向の学びと学生同士の学び合いをつくろうとした経緯も記されています。理念原文は大学データページにも収録しています。

テーマは教員が提案しますが、その後の活動は学生が主体的に進めます。学生が希望を示して加わり、学内外の人と課題に取り組む。教員が答えを説明して学生が受け取るという関係だけでは、この一年間を説明しきれません。大学の案内も、仲間や教員、地域・企業の人との出会いやコミュニケーションの過程に価値を置いています。

その関係に入るための学びとして、1・2年次の「Communication」があります。計画方法、討論、プレゼンテーションなどを学び、背景の異なる人と意思を交わす力を身につけます。情報技術やプログラミングの基礎と並んで、人と一緒に課題を扱う準備も置かれています。

学生のグループワークだけを見れば、この授業の一部しか伝わりません。教員も専門を越えてテーマを作り、学生が選んで加わり、必要に応じて地域の人も関わる。「人間」と「科学」の調和を目指す未来大学では、課題を扱う人たちの関係そのものが、学びの設計に含まれています。