大東文化大学は、なぜ書道と体育を同じ「学びの基盤」に置いたのか
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- 大学ブランディング研究所 編集部
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論語、書道、自校史、英語、キャリアデザイン、体育。大東文化大学の2019年度入学式の式辞には、この六つを新入生へ勧める説明が残っています。名前は「DAITO BASIS」。大東生の基盤となる教養を身につけるという意味で名づけたといいます。2019年度入学式の式辞
漢学を原点に持つ大学が論語や書道を勧めるのは、想像しやすい話です。そこに英語やキャリア、体育も並ぶのはなぜでしょうか。

受け継ぐ文化と、社会へ向かう力
答えを探すには、同じ式辞の前半へ戻る必要があります。学長は建学の精神と教育理念を、伝統文化の尊重と新しい文化の創造、伝統的なモラルの修得と国際社会への貢献、という二組に整理しています。東洋の文化を学ぶことは、そこだけにとどまるためではなく、ほかの文化を取り入れ、新しい社会へ関わるための土台だと説明しているのです。
構想段階の説明が、2018年5月の学長室広報誌にあります。大学は、人間性、国際性、社会人としての基礎、心身の基礎という四つの観点から、既存の科目を教育の基盤に位置づけようとしていました。学長室広報誌「Daito toDay」第2号
書道と論語は、感性や道徳心を養うため。英語は、国際的に意思疎通する基礎のため。キャリアは、生涯を視野に入れて社会人の資質を養うため。体育は、社会で生きる心身の基礎を育てるためと説明しています。違う科目をまとめる理由を、同じ内容を教えることには求めていません。
大学ブランディング研究所 編集部は、この四つを式辞の教育観に重ねると、書道と体育が隣り合う理由を理解しやすくなると考えます。文化や道徳を学ぶ人も、他者に伝え、働き、心身を保ちながら暮らしていく。伝統を受け継ぐことと、現在の社会で生きることを、一人の学生の教育として引き受けているからです。体育が文化の融合を直接実現する、という一対一の対応を示した資料ではありません。
大学らしさを、履修する科目へ伝える
2019年の式辞は、建学の精神や教育理念とのつながりが深い科目を選び、履修を推奨する取り組みとして紹介しています。新しい理念文を覚えてもらうだけでなく、すでにある授業から、何を学んでほしいかを示す方法です。
2025年度の外部評価報告でも、書道、論語、キャリア、体育などを挙げ、この科目配置を扱っています。履修者数などの変化を見て、教育基盤にふさわしい科目かを見直している点にも触れています。2025年度外部評価報告書・教育学習
書道は書道として、体育は体育として、役割が違います。その違いを保ったまま、文化を学ぶ人が社会で生きるための基盤として勧める。大東文化大学の並びには、伝統の尊重を知識の保存で終わらせず、文化を受け継ぐ人の生き方へ広げる教育観を読めます。
