大学別分析

帝京大学の八つの力は、最後の「実践力」でどうつながるか

執筆
大学ブランディング研究所 編集部
最終更新日
帝京大学の八つの力は、最後の「実践力」でどうつながるか

帝京大学のディプロマ・ポリシーが挙げる八つの力は、「実践力」で締めくくられています。その説明は、獲得した力を総合し、自ら立てた課題へ適用して解決する力です。全学のディプロマ・ポリシー

帝京大学は教育理念に「自分流」を掲げています。自分に合う学びを求める人に、なぜ全学共通の八つの力を示すのでしょうか。最後の実践力がほかの力を「総合」すると説明するところに、個人の関心と共通の教育目標を結ぶ手がかりがあります。

大学の講義室で学ぶ学生たち

八つの項目を、八つの別々の能力として読まない

実践力の前には、生涯学習力、情報収集力、幅広い教養、表現力、異文化理解力、課題発見力、協働力が並びます。学び続け、情報を集め、問いを見つけ、他者と関わる。そうした力を総合して使うという説明まで読むと、項目同士の関係が分かります。全学のディプロマ・ポリシー

大学ブランディング研究所 編集部は、この最後の項目から、教育理念「自分流」を読みます。大学紹介の定義は、関心を見つけ、知識や技術を身につけ、自分の力として行動し、その結果に責任を持つという内容です。

ここでいう自分流は、好きなものを選ぶだけではありません。知識や技術を自分の力にし、行動とその結果を引き受けることを含みます。八つの力の最後に、課題に応じてほかの力を総合する実践力があるのは、この行動へ至る学びを具体的に考える手がかりです。

自分の関心から始めても、学びは外へ開く

教育指針は「実学・国際性・開放性」です。「国際性」は異文化理解の学習と体験、「開放性」は知識や技術を偏りなく幅広く学ぶことを示しています。「実学」も、実践を通して論理的な思考を身につけると説明しています。大学紹介

ここには、自分の関心だけで学びを閉じないための方向があります。異なる知識や価値観に触れ、それを自分の課題に使う。自分流の定義と八つの力を合わせると、個人の関心と共通の教育方針が対立せずに読めます。

たとえば、情報を集める力だけでは、自分で立てた課題に答えが出るとは限りません。誰かと協働し、考えを表現し、必要な知識を学び足すこともある。実践力の説明は、能力の一覧をこうした使用の段階へつないでいます。これは全学の卒業目標の設計であり、それぞれをどう学ぶかは学部の教育課程へ続きます。

自分流であることと、共通の力を学ぶことは対立しません。何を課題として引き受けるかは自分で考え、その課題へ応答するために、知識や他者と関わる力を使う。帝京大学の実践力は、「自分流」を好みの表明で終わらせず、学んだ力を使って行動する人の姿へつないでいます。