東京経済大学の「進一層」は、なぜ「考え抜く実学。」へ続くのか
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
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前に進むために、いったん立ち止まって考える。東京経済大学の理念ページは、この二つを矛盾する姿勢として扱っていません。
創立者・大倉喜八郎が説いた「進一層」は、困難に出合ってもひるまず、なお一層前へ進む気概です。大学の公式説明は、学びの壁を乗り越えて考え抜き、専門を究めると、新たな学びの世界が広がることを「まさに進一層」と表しています。現在のメッセージ「考え抜く実学。」との関係を、大学自身が説明しているのです。

前へ進むことと、考え続けること
「進一層」は行動、「考え抜く実学。」は思考、と分けてしまうと、この説明を読み落とします。編集部が注目したいのは、考え抜くこと自体を、次へ進むための働きとして置いている点です。
この説明を、学生が受けられる支援までたどってみます。大学の「語り会おう。」は、基礎から専門へ段階的に学ぶTKUチャレンジシステムを紹介しています。学習センターの個別学習相談や独自講座を置き、英語ではアドバイザーと相談し、一人ひとりに応じたレッスンを受けられると説明しています。
考え抜くことを学生の根気だけに預けず、どこで困り、何を学ぶかを相談できるようにする。「進一層」を、立ち止まらず進めという激励として読む場合とは、大学の担う役割が変わります。壁に出合ったときに学び直せる環境も、先へ進むために必要になるからです。
同じページには、大倉が重んじた「責任と信用」もあります。大学の教育目標は、「進一層」の気概と「責任と信用」を踏まえ、実践的な知力を身につけて社会で活躍する人材の育成を掲げています。挑戦する力を、自分が前へ進むことだけで説明しないための、もう一つの言葉です。
次の挑戦を選べるところまで
同じ紹介は、基礎の支援だけでなく、より高度な資格や語学へ挑戦する選抜制のアドバンストプログラムも示しています。提携専門学校で学ぶ費用や海外研修費を大学が負担する仕組みです。全員が同じ目標へ進むのではなく、基礎を固める場と、先の目標を持つ学生が挑戦する場を分けて用意しています。
大学が「進一層」と「考え抜く実学。」を結ぶのは、学びの壁を越えること自体を、前へ進む仕事と捉えているからです。支援の仕組みに照らすと、それは気概を唱えるだけの話ではありません。分からないところを相談し、学び直し、次の目標へ向かう。学生の挑戦を伝えるときには、その途中を支える大学の仕事まで見せると、古い言葉の今の意味が伝わります。
