産業能率大学の中間発表は、なぜ企画を固める前にあるのか
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
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産業能率大学の課題解決型学習(PBL)の工程では、中間発表の次に「企画・提案内容の検討」があります。完成した案を披露するなら、検討は発表の前でよさそうです。発表の後に考える時間を残すことは、この大学の学びにとって何を意味するのでしょうか。

「SANNOの学び」は、学術の修得だけで終わらず実践へ移せる力を養うこと、他者の意見を尊重する人格を育てることを、建学の精神から引き出しています。そのためのプログラムを授業に反映する、と大学自身が説明しています。
知っていることを使うと、足りないことにも出会う
PBLの案内は、課題を解く過程で必要な知識に気づき、新たに学び、活用する力を身につけることを目的にしています。知識をすべて学び終えてから、最後に一度だけ使うという順序ではありません。
工程は、課題設定、調査・分析、中間発表、企画・提案内容の検討、最終発表、振り返りと続きます。中間発表でフィードバックを受け、その後で企画を再検討する。調べて組み立てた案を他者に示し、返された意見を次の判断へ持ち帰る機会があるのです。
大学ブランディング研究所 編集部には、この検討の時間が、建学の精神にある二つの考えをつないでいるように読めます。知識を実際の問題に使おうとすることと、他者の意見を尊重することです。意見を聞いて終わりにせず、自分たちの提案をもう一度扱う。実践できる力は、一度説明できたかどうかだけでは測れません。
最終発表の後には、次に使う学びが残る
最終発表にもフィードバックがあり、その後は一連の活動の振り返りへ進みます。中間では今の企画を考え直し、最後には取り組み全体から改善点を見つける。同じ発表でも、後ろにある仕事が違います。
初年次ゼミは、1年間で三回のPBLに取り組むと説明しています。一つの経験を振り返ることが、同じ学年の次の課題にも続く構成です。実習から学内へ経験を持ち帰る仕事は、東京工科大学のコーオプ教育にも見られますが、ここでは一つの課題の途中から学び直しが組み込まれています。
中間発表が企画を固める前にあるのは、出来栄えを見せることだけが授業の目的ではないからです。人に伝え、足りない知識や考え方を確かめ、次の提案に使う。産業能率大学が掲げる「実践へ移せる力」を、工程図の中で読むなら、発表後のこの時間を見落とせません。
