建学の精神と3つのポリシーをどうつなぐか|理念の一語を授業までたどる
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
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建学の精神とディプロマ・ポリシーに同じ語があっても、学生が何を学ぶかまでは分かりません。たとえば理念の「貢献」を、卒業時のどんな力として扱うのか。その力を育てる科目と評価までたどると、文章の言い換えでは済まない部分が見えてきます。
一つの理念語を、授業までたどる
DPは卒業認定・学位授与、CPは教育課程編成・実施、APは入学者受入れの方針です。言葉の一致を数える代わりに、理念の一語が、各文書でどのような学習や判断として具体化されているかを確かめます。
実際の資料で見てみます。國學院大學の共通教育プログラムは、日本文化を世界に発信できる人を育てる目的を記し、学修成果には日本文化の説明、外国語での意思疎通、異文化の受容などを挙げています。科目と成果の対応表では、「Japan Studies」にこの三つを結び付けています。
日本文化を知るだけでなく、異なる相手へ伝え、相手の文化も受け止める。大学の目的にある「世界に発信する」を、この科目区分では知識・言語・他者理解の組合せにしていると読めます。ここで確認できるのは大学が公表した目的と科目の対応です。学生が実際にどこまでできたかを見るには、授業の課題や評価資料へ進む必要があります。
同ページの学修成果参照基準は共通教育のものです。これをそのまま全学のDPと置き換えず、学部の方針や各授業との関係を確かめます。APも、理念の語をもう一度書く欄としてではなく、その学びに入る人へどの準備を求めるかという役割で読みます。
対応表に空欄ができたら
空欄は、ただちに教育の欠落を意味しません。別の文書に説明がある場合や、教員が実践していても文書に残っていない場合もあります。まず該当するシラバスや評価資料を教学部門と探し、それでも対応が分からない箇所を検討課題にします。
文部科学省の教学マネジメント指針は、各大学が理念と実情に合わせて仕組みを構築することを求め、そのまま従うマニュアルではないと明記しています。他大学と同じ能力項目を置くことより、自校の学生がどの過程でその力を育てるのかを説明することが大切です。
理念とポリシーをつなぐとは、同じ言葉を増やすことではなく、重視する価値を学生の学ぶ内容と方法に説明し直すことです。國學院の例なら、日本文化の発信を、文化の知識だけでなく言語と他者理解を合わせて学ぶことへつないでいました。改訂では、ポリシー本文だけでなく、履修要項とシラバスの適用年度も合わせます。広報担当者は、その経路を受験生がたどれるように案内できます。教育の判断と、その判断を伝える仕事を分担すると、理念を載せるページの役割もはっきりします。
