福島大学教育学部は、なぜ「系」と「コース」を重ねるのか
- 執筆
- 大学ブランディング研究所 編集部
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福島大学が2027年度の開設を構想する教育学部には、七つの「系」と五つの「コース」があります。二つの違いを知りたいとき、手がかりになるのは1年次の案内よりも、むしろ3〜4年次の卒業研究です。
教育学部特設サイトには、実践報告書を書く「探究型」と、卒業論文を書く「専門型」が並びます。前者はコースのプロジェクトを、後者は系に基づく教科・教育研究を深めるものです。卒業間近まで二つの道が残るなら、系からコースへ所属を替えるだけの制度ではありません。

卒業研究から逆にたどると、二つの役割が分かれる
七つの系は、国語、社会科、算数・数学、理科、保健体育、英語、心理・表現です。入学時にいずれかを選び、教職の基礎や教科などの専門性を学びます。取得を目指す免許と、教科をどう教えるか。その基盤をつくる区分です。
五つのコースは、インクルーシブ教育、教育臨床、STEAM教育、グローバル探究、地域課題探究。2年次から、教育・学校・地域・社会の課題を扱うプロジェクト学習を進めます。地域課題探究コースなら、地域に入り、人々に触れながら課題を探る。STEAM教育コースなら、数学や理科、技術、アートをつないで課題に向き合う。教科・免許に沿う系と、課題に沿うコースでは、学びを分ける基準が違います。
編集部は当初、七系が2年次に五コースへ組み替わるのだと読みました。読みが変わったのは、卒業研究の二つの型を見つけたときです。専門性を深める研究と、プロジェクトを深める研究を別々に示している。実際、特設サイトは、この仕組みを「系とコースによるクロス型の学び」と呼んでいます。
専門を持ったまま、正解のない問いへ出ていく
学士課程再編の説明は、新しい福島大学で身につける力として「専門性と社会への応用力」「課題の自分事化と解決への意欲」「分野を超える知識と新たな発見」を掲げます。その同じページで、教育学部の系とコースを紹介しています。
公表された構造に即して読むなら、系で専門性と免許の基盤を学びながら、コースでは教育・地域・社会の課題別プロジェクトに取り組みます。二つを交差させる設計は、専門か課題探究かを選ばせるのではなく、専門を持って課題へ向かう教員を描いている。これは編集部の解釈であり、この方針が各区分の導入理由だったことや、教育成果までを示すものではありません。
教学・入試広報が制度を案内するときは、一覧を一度に見せるより、時系列が役に立ちます。入学時に系を選ぶ。2年次からコースの学びが加わる。3〜4年次の卒業研究では専門型か探究型を選ぶ。免許の相談には系と系別要件を、探究内容の相談にはコースを案内する。この順なら、七と五という数ではなく、二つの軸が4年間でどう重なるかを説明できます。
なお、新学部は2027年度開設に向けた構想です。大学は文部科学省などの審査結果により変更の可能性があると明記し、教職課程にも申請中のものがあります。出願時には最新の募集要項と免許情報の確認が必要です。
